製品・工法

防災製品

SH型雨水浸透製品

雨水流出抑制・自然環境保全[SH型浸透システム]SH型雨水浸透製品

SH型雨水浸透施設の特長

私達の生活環境が便利になっていく一方で、地球温暖化や異常気象等、様々な環境問題や災害が増加しています。その中でも水環境は、最も私達の身近なものであります。大雨やゲリラ豪雨による水害や、雨が降らないことによる川の枯渇や地下水位の低下、これらは生活環境だけでなく、自然環境にも大きな被害をもたらします。
その中で、浸水被害や環境保全対策として全国的に『雨水貯留浸透施設』の設置を推奨する自治体が増えてきています。

『SH型雨水浸透施設』は、維持管理はもちろん、機能性・施工性に優れ、貯留浸透能力を最大限に発揮・維持できる構造となっています。

浸透による雨水流下のしくみ

開発により大地を舗装や屋根等で覆うことで、大雨が降ると一気に雨水は地表を流れ、洪水や浄化されない雨水が川や海に流出し、人命にかかわるような深刻な被害を与えることが多くなっています。また雨が降らないときの大地は水分を失い、地下水位は低下し植物や小動物には過酷な環境となり、川は枯渇してしまいます。
さらに大雨時の為に、川は河川改修工事をして堤防を広く高く築き、水路側溝は大きなサイズに変更する事が必要で莫大な費用もかかってしまいます。こういった問題を解決するには雨水流出抑制をして雨水の流下速度を下げる調整が必要です。

雨水災害被害の抑制と潤いのある都市づくり
浸透施設により雨水を積極的に浸透させることで、雨水の急激な流下を抑制し、災害被害の防止や大地や樹木に潤いを与えます。また森林や緑化も雨水の流下を遅らせる効果が得られるだけでなく、それ自体に保水機能があり、蒸発散することで温暖化防止効果もあります。さらに汚れた雨水を土壌の力で浄化でき、自然と共存し雨の恵みを活かせる街づくりができます。

SH型雨水浸透施設の特長
  1. 特殊排水孔構造による通水量の安定
  2. 目詰まり抑制機能
  3. 浸透良好な透水層に広く拡散
  4. 優れた施工性
  5. 軽量化と強度
  6. 維持管理に優れたメンテナンスシステム
  7. 組み合わせによる豊富なバリエーション

参考施工例

SH型雨水浸透施設の構造

スリットホール構造

浸透桝では単粒度採石(30〜40mm)を充填材として使用する事が多く、桝や側溝内に砕石が混入しないように排出孔は砕石より小さな径(基準ではφ20mm以下)が一般的です。しかしその大きさは排出孔が閉塞してしまう問題があります。また、浸透桝の底面開口部は泥等の堆積物により目詰まりしやすく、側面からの浸透効果はより重要になっています。スリットホール構造は設置時に失われる排出孔の閉塞を無くし、製品本来のもつ雨水の排出効果を有効にするとともに広く拡散し易い構造です。

従来浸透排水孔の問題点とは?

従来
  • 排出孔が大きくて数が少ないと
    → 採石混入・ビニール袋等の大きな物による閉塞の危険
  • 排出孔が小さくて数が多いと
    → 充填砕石による閉塞の危険
  • 排出孔が細いフィルター構造だと
    → 泥等による壁面での目詰まりの危険
スリット
ホール
  1. 浸透壁内側
    • 排出孔の数が多く集中的な目詰まりを防ぐ
    • 排出孔が小さいので大きなゴミの混入を防ぐ
    • 排出孔が小さいのでコンクリート強度が保てる
  2. 浸透壁外側
    • 通水スリットが砕石による閉塞を防ぐ
    • スリットの雨水は積極的に良好な透水層に拡散
    • 複雑な開孔形状は特殊な製法によりコスト削減
製造・設置・使用時の効果比較

新技術メンテナンスシステム

浸透施設はメンテナンスフリーの製品ではありません。特にゲリラ豪雨や台風の時は雨に流され色々な物が流入してきます。
浸透施設を長期に渡り安全に使用できるように、用途に合わせた、メンテナンスシステムを開発しました。

ダスタープレート(浸透施設維持管理用品Ⅰ)

  • 高さ調整機能対応品
  • 敷設後の高さ調整も可能
  • 後付け可能
  • 軽量すっきりデザイン
  • 枯葉・ゴミ等の堆積防止に

調整方法
任意の高さに桝内側から浸透開孔に調整バーの一方を差込み対面の壁面孔に掛け、フレーム・プレートを乗せ完成

セーフティフィルター(浸透施設維持管理用品Ⅱ)

雨水流出抑制施設には様々なタイプがあります。浸透桝・浸透井戸・浸透側溝・浸透トレンチ・砕石貯留浸透施設・大型ボックス貯留浸透槽・プラスチック貯留浸透槽等、これらのほとんどの施設で泥やゴミの流入による能力の低下は避けられません。特に泥の問題は深刻で施設にとって天敵です。確かにフィルターのような物を付ければ泥は止める事が可能です。しかし、大雨がきたときにフィルターが目詰まりして、浸透施設本来の機能を発揮できません。『セーフティフィルター』では従来と違った方法で泥やゴミを処理でき、雨水流出抑制施設を効果的に、安全に機能させる事を目的に開発しました。

  • 浸透施設の敵、泥や砂の分離効果
  • 枯葉・ゴミ・石等の堆積防止
  • ステンレス製・もち手付き
  • 後付け対応(応相談)
  • 大雨時用オーバーフロー構造
今、泥による能力低下が深刻です

維持管理システムが重要です。
フィルターには貯留浸透施設を泥の流入から守る効果がありますが、同時に大きなリスクが伴います。雨水流出抑制施設は、台風や洪水災害時にこそ機能してもらわなければならず、普段の維持管理を怠ると、泥やゴミの溜まった施設になってしまいます。

フィルター有無の危険

セーフティフィルター各層の機能

セーフティフィルター泥水投入実験

〔写真左〕泥水は専用フィルター材を通過し、水の色が若干ですが薄まり、排水を綺麗にしている事が確認できました。

〔写真右〕泥水を流し続けると徐々に水位が下がりづらくなりました。セーフティフィルターを使用しなかった場合、浸透施設底の透水シート上で起きていることになり、いかに能力の低下を引き起こすかがわかると思います。

セーフティフィルター有無での比較

メンテナンス用品規格表

セーフティフィルターとダスタープレートは中型浸透桝と大型浸透桝に利用できます。
調整バーを任意の高さにセットしてフレーム枠をバーの上に乗せ、セーフティフィルターまたはダスタープレートを落とし込みます。維持管理はセーフティフィルターまたはダスタープレートを取り出すだけでメンテナンスができます。フレーム枠の600用は2分割になっていて、φ600のマンホール蓋からの出し入れもできます。(フレーム枠を利用するのは、プレートやカゴが重くなり過ぎないよう、適度な重量で維持管理ができることと、取り出しやセットを容易にできるようなサイズにしました。)

呼び名 ダスタープレート フレーム枠 セーフティフィルター
DP-450 DPF-500 DPF-600 SF-300
外寸法(mm) 420×420 495×495 595×595 300×300×300
調整バー φ13×530 φ13×( )
対応製品 中型桝全
大型桝全
中型桝500 中型桝600
大型桝全
中型桝全
大型桝全

※プレート穴はφ8mm、500以上の浸透桝にはDPF-500(フレーム)の中にDP-450を使用します。

製品規格

SH型中型浸透桝

呼び名 中型浸透桝500 中型浸透桝600
寸法(mm) 参考重量(kg) 寸法(mm) 参考重量(kg)
W 500 600
W1 620 720
A 縁塊 200 68 200 78
A1 540 640
A2 450 550
B 側塊H300 300 97 300 114
C 浸透塊H300 300 93 300 110
浸透塊H400 400 124 400 147
浸透塊H500 500 155 500 183
D 底塊 60 42 90 97
T 60 60
コンクリート蓋 33 61
底塊フィルター 4.5 4.5
SH型大型浸透桝

呼び名 大型浸透桝1000 大型浸透桝1250
寸法(mm) 参考重量(kg) 寸法(mm) 参考重量(kg)
W   1000 1250
W1   1180 1450
A スラブ版 120 285 150 610
B 側塊H500 500 470 500 645
側塊H1000 1000 940 1000 1290
C 浸透塊H500 500 450 500 625
浸透塊H1000 1000 900 1000 1250
D 底塊 120 295 150 685
E メンテナンス版 120 250 (75) 206
T   90 100
角(かど)排水構造(大型浸透1250のみ)

浸透桝側壁の斜部に4箇所孔を設けました。
SH型浸透桝は四角形ですが360゜に排水を可能にしました。

設計と施工について

開発行為において、雨水処理は比較的初期の段階で決定しなければなりません。それにより敷地勾配や水路配置が決まる場合も多く、「開発することで増加した分の排水を既設(敷地外)の水路に接続できるか?」、「敷地内処理(浸透・貯留)するのか?」、自治体の基準や指導、立地的な諸条件と合わせて進めていきます。
以下に敷地内浸透処理する場合の設計手順を概略示します。

雨水敷地内浸透処理設計手順(参考)
雨水流出量の算出
・開発地域の降雨強度
・流出係数(舗装・屋根・間地等ごと)
・面積(舗装・屋根・間地等ごと)

V.雨水流出量(m3/h)
(100%処理の場合)(開発により増加分のみの場合)(一部放流できる場合)

浸透に適した条件の確認
・急傾斜地でないか?
・土質調査(ボーリングデータ等)
・地下水位は高くないか?

OK.浸透量の算出へ
(NG.貯留・オリフィス放流)

浸透量の算出
・土壌の飽和透水係数
・浸透施設の比浸透量
・目詰まりと地下水位の影響係数
・浸透施設の貯留量

Q.浸透貯留量(m3/hr)
(自治体で独自の算出基準があるときはそれに準ずる)

V < Q = OK ⇒ 配置計画

SH型浸透桝雨水処理一覧表(参考)
雨水浸透施設 雨水処理量(m3/hr・箇所)
※[ ]内は浸透量のみ
施設
貯留量
(m3/箇所)
種類 サイズ 浸透塊段数 H
浸透部
h
底塊
W
砕石幅
ローム層※1 微細砂※2 細砂※3 中砂※4
中型浸透桝 500 1段 500 60 1020 0.611
[0.286]
1.326
[1.002]
4.617
[4.293]
24.650
[24.325]
0.325
2段 800 0.833
[0.363]
1.740
[1.269]
5.910
[5.439]
31.292
[30.821]
0.471
2段 900 0.908
[0.388]
1.878
[1.358]
6.341
[5.821]
33.506
[32.987]
0.520
2段 1000 0.982
[0.414]
2.016
[1.447]
6.772
[6.203]
35.720
[35.152]
0.568
3段 1500 1.353
[0.541]
2.705
[1.893]
8.926
[8.114]
46.791
[45.979]
0.812
600 1段 500 90 1120 0.747
[0.323]
1.555
[1.132]
5.276
[4.852]
27.919
[27.496]
0.423
2段 800 1.018
[0.406]
2.034
[1.422]
6.706
[6.095]
35.148
[34.537]
0.612
2段 900 1.109
[0.434]
2.193
[1.519]
7.183
[6.509]
37.558
[36.883]
0.675
2段 1000 1.199
[0.462]
2.353
[1.615]
7.660
[6.923]
39.968
[39.230]
0.737
3段 1500 1.353
[0.541]
2.705
[1.893]
8.926
[8.114]
46.791
[45.979]
0.812
大型浸透桝 1000 2段 2000 120 2000 7.876
[1.305]
11.137
[4.566]
26.140
[19.568]
117.459
[110.888]
6.571
3段 3000 13.127
[1.757]
17.519
[6.150]
37.726
[26.356]
160.723
[149.353]
11.369
1250 2段 2000 150 2250 9.942
[1.482]
13.646
[5.186]
30.684
[22.224]
134.396
[125.935]
8.460
3段 3000 16.248
[1.981]
21.199
[6.932]
43.975
[29.708]
182.611
[168.344]
14.268

※1 ローム層:1.0×10-3 cm/sec
※2 微細砂:3.5×10-3 cm/sec
※3 細砂:1.5×10-2 cm/sec
※4 中砂:8.5×10-2 cm/sec

※浸透桝の雨水処理量は現地土質または透水係数をご確認の上、設置場所に適した製品や設置数量を選定してください。
※砕石は中型浸透桝で桝幅+200mm×2と底面H100mm大型浸透桝で桝幅+410/400mm×2と底面H200mm施工した場合の値です。
※これ以外の浸透計算についても個別に対応します。お気軽にお問い合わせください。

参考施工例(SH型中型浸透桝)

施工例